パソコンでの使用アカデミック版
JINS MEME ES_R からデータを取得し、リアルタイムに可視化しながら CSV へ記録するパソコン用ロガーの操作方法を説明します。
USB ドングルは不要です。 パソコン本体の Bluetooth LE を使って直接 ES_R に接続します。
注意: USB ドングルを使う旧アプリをご利用の場合は旧バージョンのマニュアルを参照してください。画面構成が大きく異なります。
動作環境
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対応OS(Windows) | Microsoft Windows 11 以降 64bit メモリー:4GB以上(推奨 8GB) |
| 対応OS(macOS) | macOS 14 以降 メモリー:4GB以上(推奨 8GB) |
| ハードウェア | BLE 対応の Bluetooth アダプタ(パソコン内蔵のもので構いません) |
| ドングル | 不要 |
ダウンロード
こちら からファイルをダウンロードしてください。
| OS | ファイル |
|---|---|
| Windows | JINS_MEME_DataLogger_Setup.exe(インストーラー) |
| macOS | dmg を zip で固めたもの |
インストール
Windows
- ダウンロードした
JINS_MEME_DataLogger_Setup.exeをダブルクリックします。重要インストールには管理者権限が必要です。「ユーザーアカウント制御」画面が表示されたら「はい」をクリックしてください。管理者以外のアカウントの場合は、管理者に依頼してインストールを行ってください。
- 言語(日本語 / English)を選び、ウィザードに従って進めます。
- インストール先(既定は
C:\Program Files\JINS MEME DataLogger)、スタートメニューのフォルダ名、デスクトップアイコンの作成有無を指定します。 - 「インストール」をクリックします。
参考.NET 10 Desktop Runtime がパソコンに入っていない場合、インストーラーが自動でダウンロードして導入します。この処理はウィザードを進めたあとに走るため、完了まで数分かかることがあります。インターネット接続が必要です。
- 完了画面で「完了」をクリックします。
アンインストールは、Windows の「アプリ」一覧から JINS MEME DataLogger を選んで削除します。
更新するとき
自動更新には対応していません。新しいバージョンのインストーラーをそのまま実行すると、上書きインストールされます。
macOS
- ダウンロードした zip を展開し、中の dmg を開きます。
- 表示されたアプリを「アプリケーション」フォルダへドラッグします。
- 「アプリケーション」フォルダから起動します。
- 初回起動時に Bluetooth の使用許可を求められるので、許可してください。
アンインストールは、「アプリケーション」フォルダから削除します。
画面の構成

左のカラムに接続と計測の操作がまとまっていて、右側にリアルタイムチャートが 3 枚並びます。
| 場所 | 内容 |
|---|---|
メニューバー Setting (S) | 保存先や TCP 出力などの設定画面を開きます |
メニューバー Version (V) | アプリのバージョン情報を表示します |
| 左カラム上部 | アプリのバージョンと、接続中の ES_R のファームウェアバージョン |
Scan / File Replay / Connect | デバイスの検索・接続、記録済み CSV の再生 |
State : | 接続状態(Disconnected / Connected / 再生中はファイル名) |
Select Mode ほか | 計測条件の設定 |
Start Measurement / Free Marking | 計測の開始・停止、アーチファクトの付与 |
Success rate / Communication | データ受信の成功率と直近の通信率 |
IP address / Port / Status | TCP 出力の状態 |
| チャート 1〜3 | リアルタイム波形 |
接続する
- ES_R を充電し、メガネの上下を正しい位置にした状態でペアリングモードにします。
Scanをクリックします。見つかったデバイスがESRG2_0 (mac_address)の形でコンボボックスに並びます。- 1 回で見つからないことがあります。その場合はもう一度
Scanしてください。
- 1 回で見つからないことがあります。その場合はもう一度
- 接続したいデバイスを選び、
Connectをクリックします。 - 接続されると
State :がConnectedになり、ES_R のファームウェアバージョンが表示されます。
接続を終えるときは Disconnect をクリックします。
ES_R は同時に 1 台のホストとしか接続できません
スマートフォンのアプリなどが接続中の場合は、先に切断してください。
計測する
計測条件を設定する
接続すると、ES_R の現在値が読み出されて各項目に反映されます。計測を始める前に必要に応じて変更してください。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
Select Mode | データモード。Standard / Full / Quaternion |
Trans Speed | サンプリング周波数。100Hz / 50Hz |
Accel Range | 加速度センサーの計測レンジ。±2 / ±4 / ±8 / ±16 G |
Gyro Range | ジャイロセンサーの計測レンジ。±250 / ±500 / ±1000 / ±2000 dps |
モード別の稼働センサー
| モード | 稼働センサー | チャート表示 |
|---|---|---|
Standard | 眼電位センサー、加速度センサー | あり(EOG は 1 組目を描画) |
Full | 眼電位センサー、加速度センサー、ジャイロセンサー | あり |
Quaternion | クォータニオン出力 | なし(波形に出せる値がないため空のままです) |
計測を開始・停止する
Start Measurementをクリックすると、計測とCSV 記録が始まります。- 計測中は
Stop Measurementに変わります。もう一度クリックすると停止し、CSV が確定します。 - 計測中は
Select Modeなどの設定を変更できません。
Artifact(アーチファクト)を付ける
被験者の動作や外的イベントの位置を、後から探せるように印を付けられます。付け方は 2 通りあります。
Free Marking ボタン — クリックすると、その直後の 1 行の ARTIFACT 列に x が入ります。計測中のみ有効です(Windows では計測中以外はボタンが無効になり、macOS では計測中だけボタンが現れます)。
チャートをクリック — クリックした位置の行に、任意の文字列を入れられます。入力ダイアログが開くので、空のまま OK を押すと X が入ります。計測中と再生中のどちらでも使えます。

付けた印はその場でチャートに縦線とラベルで表示され、CSV へは次のタイミングでまとめて書き戻されます。
| 状況 | 書き戻すタイミング | 書き戻し先 |
|---|---|---|
| 計測中 | Stop Measurement または切断時 | その計測で保存した CSV |
| 再生中 | Record または Disconnect 時 | 再生元の CSV |
- カンマと改行は列が崩れないよう空白へ置き換えられます。
- 同じ行を何度クリックしても、最後に入力した値で上書きされます。
- 書き戻しは一時ファイルへ書いてから置き換えるので、途中で失敗しても元の CSV は壊れません。
通信状態を確認する
| 表示 | 内容 |
|---|---|
Success rate | 計測開始からの累積のデータ取得率 |
Communication | 直近 1 秒間のデータ取得率 |
数値が大きく下がる場合は、パソコンと ES_R の距離を近づける、Trans Speed を 50Hz に下げる、といった対処を試してください。
チャートを操作する

チャートは 3 枚あり、それぞれ独立して表示内容を変えられます。波形は間引かずに全サンプルを描いています。
| 操作 | 内容 |
|---|---|
カテゴリのコンボボックス + Apply | そのチャートに表示するセンサー種別(Electrooculography / Gyroscope / Accelerometer)を切り替えます |
| 左のチェックボックス | 系列ごとの表示・非表示を切り替えます |
↕+ / ↕- | 縦軸(振幅)の拡大・縮小 |
+ / -(左カラム) | 横軸(時間)のレンジを 3 / 7 / 15 / 30 秒 で切り替えます。3 枚のチャートに同時に効きます |
EOG チャートの既定表示
Left と Right は生の電位で振れが大きく、既定では ΔH / ΔV の判読を妨げるため非表示にしてあります。必要ならチェックを入れてください。
記録される CSV
保存場所とファイル名
| OS | 既定の保存先 |
|---|---|
| Windows | ドキュメント\JINS\MEME_Academic |
| macOS | ~/Documents/JINS/MEME_Academic |
保存先は Setting の Save File Path で変更できます。ファイル名はどちらも <MACアドレス>_<UTC日時>.csv です。
Setting の Save Dialog を有効にしておくと、計測終了後に保存先を選び直すダイアログが出ます。
列の構成
書式は Mac 版・Android 版と共通です。モードによって列が変わります。
| モード | 列 |
|---|---|
| Standard | ARTIFACT,NUM,DATE,ACC_X,ACC_Y,ACC_Z,EOG_L1,EOG_R1,EOG_L2,EOG_R2,EOG_H1,EOG_H2,EOG_V1,EOG_V2 |
| Full | ARTIFACT,NUM,DATE,ACC_X,ACC_Y,ACC_Z,GYRO_X,GYRO_Y,GYRO_Z,EOG_L,EOG_R,EOG_H,EOG_V |
| Quaternion | ARTIFACT,NUM,DATE,QUATERNION_W,QUATERNION_X,QUATERNION_Y,QUATERNION_Z |
先頭には計測条件を記したヘッダが付きます。
// Data mode : Full
// Transmission speed : 100Hz
// Acceleration sensor's range : 2g
// Gyroscope sensor's range : 250dps
//
//ARTIFACT,NUM,DATE,ACC_X,ACC_Y,ACC_Z,GYRO_X,GYRO_Y,GYRO_Z,EOG_L,EOG_R,EOG_H,EOG_V
,1,2026/08/27 04:27:10.21,-200,-3415,-2284,178,-343,763,2007,2001,6,-2004DATEは UTC で記録されます。チャートの表示だけをローカルタイムに切り替えたい場合はSettingのTime Displayを使ってください(記録される値は常に UTC のままです)。NUMはデバイス側カウンタの差分を積算した単調増加値です。取りこぼしがあると番号が飛びます。ARTIFACTにはFree Markingやチャートのクリックで付けた印が入ります。- 100Hz なら 100 行、50Hz なら 50 行たまるごとに書き出します。1 行ずつ開閉すると取りこぼすためで、計測停止時に残りをまとめて書き出します。
File Replay(記録した CSV を再生する)
デバイスが手元になくても、記録済みの CSV を読み込んで計測時と同じ画面で確認できます。
再生を始める
File Replayをクリックします。- ファイル選択ダイアログで CSV を選びます。
- 選んだ時点で再生が始まります(Start ボタンはありません)。
Select Modeなどがファイルの記録条件に切り替わり、State :にファイル名が出ます。
読み込めるのは本アプリ形式(Mac 版・Android 版と共通)の CSV です。旧 Windows 版が出力した // Accelerometer sensor's range 表記や BattLv 列付きの CSV も読めます。
再生中の操作
| 操作 | 内容 |
|---|---|
| スライダー | 再生位置の変更。離した時点でシークします |
<< / >> | 横軸レンジ − 2 秒ぶん戻る/進む。前後のウィンドウが 2 秒重なって見えます |
x1 | 再生速度を x1 → x2 → x4 → x8 → x16 → x32 → x1 と切り替えます |
Pause / Resume | 一時停止と再開 |
Record | 再生を止めます。グラフはそのまま残ります |
Disconnect | 再生セッションを終了し、読み込んだデータを破棄します |
- チャートの横軸は CSV の
DATE列(UTC)を基準に描くので、記録時の時刻がそのまま出ます。 - シークやレンジ変更のあとは、右端から徐々に埋めるのではなく、ウィンドウ幅ぶんを先読みして満たした状態で再開します。
ARTIFACT列に値がある行は、チャート上に縦線とラベルで重ねて表示されます。- 再生速度を上げても間引きはしません。 1 秒あたりに流す行数を増やしているだけなので、x32 でも波形の細部(ハム成分など)は残ります。
再生中もチャートをクリックして Artifact を付けられます(Artifact(アーチファクト)を付ける 参照)。
ドラッグして区間を切り出す

再生中にチャート上を横方向へドラッグすると、選択範囲が反転表示されます。マウスを離すとファイル名の入力ダイアログが出て、再生元と同じフォルダにその区間だけの CSV を書き出せます。
- ヘッダはそのままコピーされるので、切り出した CSV もそのまま
File Replayで開けます。 - 同名のファイルが既にある場合は、ダイアログを閉じずにエラーを表示します。
Setting(設定)
メニューバーの Setting (S) から開きます。

| 項目 | 内容 |
|---|---|
Save File Path | CSV の保存先。既定は ドキュメント\JINS\MEME_Academic |
Acc Offset X / Y / Z | チャート表示にのみ加算するオフセット。CSV に記録される値は変わりません |
Save Dialog | 計測終了後に保存先を選び直すダイアログを表示します |
Time Display | チャートの横軸をローカルタイムで表示します(記録は常に UTC) |
TCP Output | 計測データを TCP で外部へ流します |
Local Port | 待ち受けポート。既定は 88 |
設定内容は次回起動時に復元されます。保存先は Windows が %APPDATA%\JINS\MEME_Academic\settings.json、macOS はアプリの環境設定(UserDefaults)です。
TCP 出力
TCP Output を有効にすると、指定ポートで待ち受けを開始します(左カラムの Status : が Listen になります)。クライアントが 1 台つながると Accepted に変わり、CSV とまったく同じ書式のヘッダと行が流れます。
- 計測開始より前に接続していた場合は、計測開始時にヘッダが送られます。
- 同時に受け付けるクライアントは 1 台まで です。
$ ncat 127.0.0.1 88
// Data mode : Full
// Transmission speed : 100Hz
// Acceleration sensor's range : 2g
// Gyroscope sensor's range : 250dps
//
//ARTIFACT,NUM,DATE,ACC_X,ACC_Y,ACC_Z,GYRO_X,GYRO_Y,GYRO_Z,EOG_L,EOG_R,EOG_H,EOG_V
,1,2026/08/27 04:27:10.21,-200,-3415,-2284,178,-343,763,2007,2001,6,-2004Python での受信サンプル
import socket
target_ip = "127.0.0.1" # ロガーが動いているPCのIPアドレス
target_port = 88 # Setting の Local Port と合わせる
buffer_size = 4096
tcp_client = socket.socket(socket.AF_INET, socket.SOCK_STREAM)
tcp_client.connect((target_ip, target_port))
is_end = False
while not is_end:
response = tcp_client.recv(buffer_size)
if response == b"":
is_end = True
print("[*]Received a response : {}".format(response))
tcp_client.close()バージョンを確認する
メニューバーの Version (V) から確認できます。問い合わせの際はこのバージョンをお知らせください。

うまく動かないとき
| 症状 | 対処 |
|---|---|
Scan しても何も出ない | ES_R が充電されていてペアリングモードになっているか、パソコンの Bluetooth が ON になっているかを確認してください |
| 他のアプリが掴んでいる | ES_R は同時に 1 台のホストとしか接続できません。スマートフォンのアプリなどが接続中なら切断してください |
| 接続はできるが値が来ない | Windows の「設定 > Bluetooth とデバイス」から ES_R を一度削除し、再度スキャンし直すと GATT のキャッシュが解消することがあります |
| 取得率が上がらない | パソコンと ES_R の距離を近づける、Trans Speed を 50Hz に下げる、2.4GHz 帯の混雑を避ける |
| インストール時にランタイムの導入に失敗する | インターネットに接続できない環境では自動導入ができません。.NET 10 Desktop Runtime を手動で導入してから、もう一度インストーラーを実行してください |